シラカバで主に発症
日本アレルギー学会によると、道内の花粉症患者は人口の約一割と推定されます。
ただし、大規模な実態調査は行われていないため、正確にはわからない。札幌医大の白崎英明講師によると、道内ではシラカバ花粉によって発症するケースが最も多いです。
本州ではスギ花粉による花粉症が中心です。
白崎講師によると、これまでの道内の調査では例年、五月にシラカバ花粉が飛散のピークを迎えます。
ところが今シーズンは四月下旬以降、気温が上がらず、「飛散は遅れている」(白崎講師)。
今後気温が上がると、風の強い晴れの日に大量の花粉が飛ぶといいます。
道内で花粉症を引き起こしている主な花粉の飛散時期は、三月下旬からハンノキ、四月末からシラカバ、六-八月にイネ科のカモガヤとチモシーなど。八月末からは、ヨモギの花粉が飛び始めます。
本州などで問題になっているスギ花粉は、道内ではスギが分布する道南地方で飛散がみられ、この地域の花粉症の主な原因となっています。
また、キク科のブタクサも本州で花粉症を起こしているが、道内はブタクサ花粉が飛散するのは道南地方などに限られます。
症状は リンゴなど食べてアレルギー併発も
日本アレルギー学会の鼻アレルギー診療ガイドラインによると、花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり。
遺伝的な要素が発症に影響していますが、ほかにも多くの原因が考えられ、発症のメカニズムは解明されていません。
症状はくしゃみ・鼻水と鼻詰まりの程度によって、最重症から軽症まで四段階に分かれます。
花粉症の原因物質や重症度を調べる方法としては、RAST(ラスト)法と呼ばれる血液検査が普及しています。
シラカバ花粉症の患者は、果物の摂取で口やのどのはれやけいれんを起こす「口腔アレルギー症候群」を併発する場合もあります。
リンゴ、モモ、サクランボなどバラ科の果物に、シラカバ花粉に含まれる原因物質と似た成分が含まれているため、症状が起きるとみられています。
札幌市南区のやまもと耳鼻咽喉(いんこう)科の山本哲夫院長によると、二○○三年、同医院で受診した花粉症患者百五十三人のうち六十五人(42%)に同症候群の症状がありました。
花粉症の程度が重いほど、同症候群を併発する患者の割合が高いのです。