小児の花粉症(花粉アレルギー)の場合では、成人と比較して鼻づまりが多く、その上、くしゃみが主体になる「くしゃみ型」と呼ばれる病型は少ないと言う不思議な特徴があります。その理由として、小児では鼻腔(ビクウ)が成人より狭いため鼻が詰まりやすく、鼻の粘膜の血液循環障害が起こりやすいのだろうと考えられています。
また、水のような鼻水だけではなく、粘液上の鼻水が成人に比べて多く、副鼻腔炎(フクビクウエン)や滲出性中耳炎(シンシュツセイチュウジエン)が起こりやすいのもそのためであろうと考えられています。副鼻腔炎が起こると鼻水はますます粘液状になり、膿(ウミ)のような粘り気の多い鼻水(膿鼻汁)になることもしばしばあります。
子供が花粉症になってしまったときの症状として、
目に強い痒みが出たり、充血してしまうことがあります。
また目のまわりが赤くなったりということもあります。
薬局に行けば、この時期、花粉症のコーナーなどができ、
たくさんの目薬などが売られていますが、
子供に使う場合は気をつけなくてはいけません。
目はとてもデリケートな部分なので、できるなら、
きちんと病院に行って診断してもらうことが大切です。
病院に行った場合は、子供に合うように目薬を処方してもらえます。
目のまわりが赤くなっている場合は、軟膏を処方してもらえることもあります。
目薬は根本から子供の花粉症を改善できませんが、一時的にはよく効きます。
大人が目薬をさしてあげましょう
子供は、自分できちんと目薬をさすことができませんので、
大人が目薬を子供にさしてあげることが大切です。
目からこぼれる目薬を手でこするとばい菌が入ってしまったり、傷がついてしまったりして、
せっかく目薬をさしても意味がなくなってしまいます。
目薬をさしたあとは清潔な布やティッシュで目の周りを軽くおさえてあげましょう。
眼の症状は、成人の花粉症(花粉アレルギー)では多く認められますが、通年性アレルギー性鼻炎では、それほど目立たないのが一般的です。
しかしながら、小児の花粉症の場合には、花粉症でも、それ以外のアレルギー性鼻炎でも眼の症状が強く出やすく、アレルギー性結膜炎を合併する例が少なくありません。
小児の通年性アレルギー性鼻炎の50~60%に眼がかゆい、眼が充血するなどの症状があり、眼の下を頻繁にこするために皮膚に色素沈着が生じたり、むくんだりする例が30~40%にみられます。
また、鼻出血も成人よりも多く起こります。
鼻に指をしばしば入れる、よく擦るなどの動作や鼻水によって、鼻の入り口付近の皮膚や粘膜が炎症を起こすためです。
鼻をピクピクと動かしたり、口をモグモグと動かしたりして、痒み(カユミ)を抑えようとするしぐさも小児には多く見られます。
しかしながら、近年は、花粉症(花粉アレルギー)の低年齢化に伴い、小児でも典型的な三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)を示す例が増えているようです。
近年、増加している子どもの花粉症ですが、残念ながら、花粉症が完治する薬はありません。花粉症を発症しないための一番有効な対策は、とにかく花粉を体内に入れないことです。もし、発症した場合には、対処療法しかありません。どんな薬でも副作用はあります。特に花粉症の薬は長期間飲み続けることになります。子どもの体には、悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、子どもに有効な花粉症対策を紹介します。
まず、外出から帰った場合は、必ず衣服についた花粉を払い落としてから家に入りましょう。
そして、手洗いうがいはもちろんのこと、鼻うがいもお勧めします。子どもに鼻うがいをするのは、大変ですが花粉症対策としては有効な手段です。
子どもの大好きなぬいぐるみは、ダニの温床といわれます。もし、花粉症でなくても喘息やアトピー性皮膚炎を患っている子どもに与えるのは気をつけなければいけません。部屋の掃除をこまめにし、花粉を家に持ち込まないようにしましょう。掃除機だけではなく、拭き掃除が有効です。